スポンジボール用バッティングマシンを用いた練習の効果

プロ野球界でのスポンジボールを使った指導の実績

これまでにスポンジボールを現役プロ野球選手の打撃指導に使っていたと伝え聞いている指導者の方のお名前をご紹介します。

掛布さんが阪神の2軍監督時代に若手をスポンジボールを使った練習で鍛えたとの記事がYahoo!ニュースで紹介されていました。
他の方のお名前も元プロ野球選手の方から直接あるいは間接的にお聞きしました。

また、阪神タイガースの代打の神様であった八木裕さんとWebマガジンの企画で先日対談する機会がありましたが、八木さんも「もちろん、現役時代にスポンジボールを使った練習を行っていました。」との事でした。

主にキャンプ中のホテルでの夜間練習で使っていらっしゃったようです。もちろん、スポンジボールを手で投げてもらってそれを打つという練習です。

元阪神タイガースの「代打の神様」八木裕氏と当社社長とがWeb企画で対談しました。是非、こちらの掲載記事もご覧ください。⇒記事はこちら(B-plusサイト)

やはり、スポンジボールを使うと以下のメリットがあると思います。(ボールによる器物破壊の可能性が無いというメリットは除いて)

  • 前から来るボールを打てる
  • ボールに対して正確にバットを当てる練習ができる
  • ボールコンタクトのタイミングを取る練習ができる
  • インパクトのタイミングを確認することができる

いずれも素振りだけの練習では不可能ですので、プロ野球指導者が練習に取り入れる事も頷けます。但し、スポンジボールを手で投げるのは非常に労力が要りますし技術的にも難しい作業となります。

バットコントロール能力を磨くことができる

スポンジボールは重さが軽く、しかも表面がざらざらしているため、相対的に空気抵抗が大きくなり、これによってボールの変化が大きくなります。

本マシンを用いた練習では、マシンとバッターとの距離は数mですがその間にボールは微妙に変化します。またその変化の量は1球毎に微妙に異なりますので、繰り返し練習することによりバットを正確にボールに当てる能力を鍛える事が可能となります。

次のビデオは、同じ条件で投球した場合のボール軌道の例を示したものです。

1球目は高めのストレートのようなボール軌道で、2球目は低めに沈むスライダーのような軌道となっています。

この実験におけるマシンとバッターの距離は約3mで、その場合のボール到達時間は約0.5秒となっています。 これを実際のピッチャーとバッター間の距離で補正すると約125Km/hの球速となります。

一方次のビデオは、距離3mの場合のボールのコースばらつきを記録したものです。
横方向にはそれ程大きなばらつきはありません。一方、縦方向には30cm程度の変化量がありますので、自然と対応力を養えると思います。

また、この実験ではインコース高めに投球されるように設定しました。そこそこのコントロール性は確保していますので、ほぼ同一のコースのボールを繰り返し練習する事が可能となります。

特に硬球ではインハイのボールを打つ練習は危険が伴うため中々思うようにはできませんが、このマシンを使えば安心して練習することが可能となります。

自然とスイングスピードが速くなる

本バッティングマシンを使って練習をすると、自然とスイングスピードが速くなるという効果が期待できます。これまでの説明の通り、ボールが微妙に変化するためバットをゆっくり振って当てにいっても中々上手くボールに当たりません。

試打会でお子さん連れのお父さんに良く見られる光景なのですが、子供はバットを思い切り振るので上手くボールを捉えてバットに当たるのですが、お父さんはどうしてもバットを思い切り振ることを遠慮されるようで、バットを軽く振って当てに行こうとされます。すると中々ボールの微妙な変化に付いて行けず子供さんの見ている前で空振りするという失態を演じてしまうことになります。

「もっとボールを引き付けてから思い切りバットを振って下さい」と声をかけると、しばらくすると上手く当たるようになります。

これは実際のバッティングでも同じで、スイングスピードの速い選手の方がボールを長く見ておけるので、結果的にミート率が高くなり打率も残せることになります。しかし、素振り練習だけでスイングスピードを上げるというのは余程しっかりと意識して練習に取り組まなければ効果を出すことは難しいと思います。

しかし、このバッティングマシンを使ってボールをしっかりと前に飛ばすように練習すれば、知らず知らずのうちにスイングスピードが上がって来ます。楽しみながら練習すれば効果が期待できるという事です。

レベルに応じたセッティング方法

下の図はレベルに応じたセッティング方法について示しています。

セッティング例

基本的に上級者の方は、マシンの高さを低くしてマシンに出来るだけ近づいて打ってみて下さい。そうすれば伸びのある速球を模擬した環境も作り出せると思います。 また初心者の方は、マシンの高さを高めにしてマシンから離れた場所で打って頂ければ、ふわっとしたボールとなりますので打ちやすいと思います。

このようにマシンの高さとマシンまでの距離を調整することにより、様々な球筋の投球を実現できますのでご自分の目的に応じたセッティングを見つけてみて下さい。

プロ野球選手からのコメント

本バッティングマシンは開発当初から元プロ野球選手の方に関わって頂いて様々なアドバイスを頂きました。投球間隔を可変にしたいという機能も、選手からの要望によって取り入れた機能の一つです。また試作品が出来上がった際にも元プロ野球選手の方に手伝って頂いて、他の様々な選手からも使ってみた感想をお聞きしました。その中の声を以下に紹介致します。残念ながらお名前を公表する事はできませんが、中にはNPBの監督経験者やシーズン最多安打を記録された選手もいらっしゃいます。(6名の元プロ野球選手からの意見を集約)

  • 正面からのボールを打てるのが良い(複数の方のご意見)
  • ボールに印をつけて打ち分けの練習をすれば、反応力・対応力を鍛えられる
  • 苦手なコースの反復練習ができる 【特に硬球でインハイの練習は困難であるがこれで解決】
  • 微妙な変化があるため最後までボールをよく見る練習になる

ちなみに上のビデオ等で打ってもらっているモデルの方も、現役のBCリーガーで3割バッターです。もちろん、普段の練習に本バッティングマシンを取り入れてもらっています。